海外旅行で3月の景気ウォッチャー調査、現状判断が5カ月ぶりに50超

海外旅行で内閣府が9日発表した3月の景気ウォッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数(DI)は前月から1.6ポイント上昇して50.8となった。前月を上回るのは2カ月連続で、景況判断の分かれ目となる50を上回ったのは5カ月ぶり。家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全てのDIが上昇した。内閣府は、同調査に基づく景気の基調判断を「景気は回復が緩やかになっている」で据え置いた。

 家計動向改善の判断理由としては「ゴールデンウィークの先行受注状況が良い。昨年は国内旅行だった客が海外旅行を予約し、昨年は1泊であった客が2泊するなど、財布のひもが少し緩んでいる(近畿。・旅行代理店)」などの声があった。企業動向では「年度末の最後に来てようやく通信系設備投資の案件がまとまってきている。ただし、受注価格の下落には歯止めが掛かっていないため、利益の出ない案件が多い状況に変わりはない(南関東・情報サービス)」などの声が上がっている。

 一方、数カ月先の景気を示す先行き判断DIは、51.3で前月を0.8ポイント下回った。前月を下回るのは3カ月ぶりで、景況判断の分かれ目となる50を下回るのは3カ月連続。雇用関連のDIが上昇したが、家計動向関連、企業動向関連のDIが低下した。

 景気ウォッチャー調査は、タクシー運転手やコンビニエンスストアの店長など地域の景気に関連の深い動きを観察できる人々に、景気の状態を「良くなっている」「やや良くなっている」「変わらない」「やや悪くなっている」「悪くなっている」の5段階で評価するアンケートを行うもの。景気判断DIは、それぞれの回答に1から0まで0.25刻みの点数を与えて、回答割合を乗じることで算出する。全員が「変わらない」と答えたときに50となる。

IBTimes - 2007/4/9